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2008

3. 逆位相消音法

今回の調査では、「逆位相消音法」を行ってみました。これは、最近のヘッドホンで流行しているノイズキャンセリング技術と同じ原理を利用したものです。全く同じ音声の逆位相をぶつけると、音声は跡形もなく消えてしまいます。ところが、少しでも音声に差があれば、その分が消しきれない音として残ります。圧縮した音声で圧縮前の音声を打ち消して、どのぐらい消しきれずに残ったかを、信号データの平均デシベル(dB)値を比較することで求めてみました。

圧縮前の音声

圧縮前の音声

圧縮済み音声の逆位相

圧縮済み音声の逆位相


消しきれずに残った音

消しきれずに残った音

逆位相の音をぶつけて、消しきれずに残った音がどのようになるのか、興味がおありの方も多いと思いますので、掲載しておきます。上がもともとの音、下が消しきれずに残った音で、こういう音になります。

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もともとの音の平均信号レベルは -19.68 dB、打ち消した後は -42.41 dBで、差は 22.73 dB となります。人間は 10 dB 信号が増幅するごとに、音量が 2 倍になったように感じますから、およそ 4.8 倍の差があるように感じるはずです。つまり、消えずに残ってしまった音は、もとの音の 4.8 分の 1、およそ 21% であることがわかります。今回の調査では、このことを「再現率は 79% である」と表現しました。

再現率についてまとめると、以下の計算式の通りになります。

R=1-1/2^{(x-y)/10}

R = 再現率、x = もとの dB、y = 残った dB

この調査方法の疑問点

この調査方法を使えば大変客観的な評価ができると思っていますが、調査しながら僕自身が気づいた疑問点を記しておきます。それはなんといっても、すべての周波数の音圧を同等に扱ってよいのか、という問題です。

前節でもふれたとおり、人間の耳は周波数帯によって聞こえ方が違います。そのため、雑音の音量を図るばあいには、「A 特性周波数重み付け音圧レベル(dBA)」と呼ばれる、人間の耳特性に配慮した単位を使用することが一般的になっています。

今回、消音処理を行ったのち、そのまま平均 dB を求めて結果を比較しましたが、ひょっとしたら dBA や、dBA のように聞こえやすさを考慮した単位で評価したほうがより適切な結果が出せたのかもしれません。なぜなら、dBA 等を使えば、多くの人がほとんど聞き取れない高音や低音の音量の影響を少なくできるからです。

ところが、ほとんど聞き取れないとはいっても、やはり我々は高音が響いている方がうれしいことに違いはないのです。繊細な高音から豊かな倍音を感じ取る我々です。単純に dBA 等を用いて、それらの音情報を薄めてしまっていいのでしょうか。

ノイズキャンセリングの流行や、カナル式イヤフォンの普及など、携帯式のリスニング環境も刻々と進歩をつづけています。音に対する敏感度は近年ますます向上しているものとも思われ、やはり信号情報をそのままに評価するやり方でよかったのではないか、と考えています。

「4. 再現率比較」に進みます

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右クリックをしてもコンテキストメニューが表示されない

Finale 2008 をマルチ・モニタ環境下におけるプライマリ・ディスプレイ以外のモニタで動作させていると、右クリックで表示されるコンテキストメニューが表示されなくなります。

Finale をプライマリ・ディスプレイで使用すればこの問題は発生しません。

どうしてもプライマリ・ディスプレイ以外のモニタでコンテキスト・メニューを使用したい場合は、アプリケーションキーを押せばメニューが表示されます。ただし事前に左クリックを使用して、コンテキストメニューを表示させたい項目を選択状態にしておかなければならず、不便です。

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問題と対策

Finale 2008

垂直方向の衝突の回避

英語名:Vertical Collision Remover

「垂直方向の衝突の回避」プラグインは、Finale 2007 の発売とともに発表された、MakeMusic 社製のプラグインです。あちこちに不具合を抱えたままリリースされていて、予想外の動作をすることが多く、扱いづらいプラグインです。

いっぽう、不具合を承知して上手に扱うことができれば、Finale 屈指の便利なツールとなります。私の知る限りの不具合情報と、その対策について、少しずつまとめていくつもりですので、困ったときにご覧いただけましたら幸いです。

プラグインのバグ

発想記号の非表示属性を感知しない問題

非表示と設定された発想記号であっても、スペースが確保される

図 1 非表示と設定された発想記号であっても、スペースが確保される

図 1 のように、発想記号が非表示となっている場合でも、非表示となっていない場合と同じように垂直位置を調節してしまいます。この問題のスマートな回避方法はありません。最初からこのようなデータを作らないように気をつけるしかありません。小節発想記号であっても、問題は同様です。

なぜスペースがこんなにあいてしまうのか、わかりにくい例

図 2 なぜスペースがこんなにあいてしまうのか、わかりにくい例

音符発想記号で、さらに元の音符が非表示になっている場合にも、この問題が発生します。例えば図 2 のケース。何が起こっているのか一見わかりませんが、非表示になっている音符に発想記号がついていて、その分のスペースを確保してしまっています。

非表示の音符に付属している発想記号はまったく表示されませんので、注意しないと見逃してしまいます。

繰り返し記号との相性

繰り返し表記のある場合に、そのままこのプラグインを適用すると、うまく垂直位置を調節できなくなる場合があります(図 1 参照)。どうやらこのプラグインは、繰り返し記号によって音符が隠れている場合でも、そこにト音記号で表記された楽譜があるものと仮定して、位置調整を行ってしまうようです(図 2 参照)。

そこで、パーカッション・マップと楽譜スタイルの設定を使用して、常に符頭が五線の中央に配置されるようにし、さらに符尾を表示しないようにして、この問題を回避します。以下に手順を示します。

  1. 「五線ツール」を選択します
  2. 「五線」メニューから「楽譜スタイルの定義」を選択し、「楽譜スタイル」ダイアログボックスを表示します
  3. 「使用可能なスタイル」から「08. 2小節の繰り返し表記」を選択します
  4. 「記譜スタイル」プルダウンメニューから「パーカッション」を選択します
  5. 「記譜スタイル」プルダウンメニューのすぐ右側にある「選択」ボタンを押し、「パーカッション・マップの選択」ダイアログボックスを表示します
  6. 「作成」ボタンを押し、「パーカッション・マップ作成」ダイアログボックスを開きます

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