助詞がわからない子がつらい

このように、特定の遺伝子は細胞ががん化することを未然に防いでいると考えられる。

という文を含む文章を読んで、問題。

体ががんだらけにならないのは、どのような理由によるか。本文中の言葉を使って 25 字以内で答えなさい。

でもって、僕の生徒の答え。

特定の遺伝子は細胞ががん化することを未然に防ぐ。(24 字)

不正解。「どのような理由によるか。」という問いに対して、説明的な文末でこたえられていません。しかし、その事は何度か注意すればなおります。問題はその先、「特定の遺伝子は」を「特定の遺伝子が」に書き換えてもらう場面で起こります。

僕:ここは「特定の遺伝子が」で書き始めましょう。

生徒:なんで?

僕:遺伝子「は」と言ったら、他にもたくさんの物事があって、その中の「遺伝子は」ということになるでしょう。この回答では「特定の遺伝子」のみを扱うのだから、「遺伝子が」と答えなければだめですよ。

生徒:違いがわかんないや。

僕:教科書にも書いてあるでしょう。「が」は格助詞、「は」は係助詞。種類が違いますよ。

生徒:そうなの?

僕:たとえばこの例題。「このボールは 2,000 円です。あのボール○2,000 円です。」○には何が入りますか?

生徒:「が」?

僕:…。

この状態、どう解消したらいいのか。ここ何年かの課題になっています。助詞の使い方がめちゃくちゃで、国語のみならず社会・数学・理科・英語すべてにわたって、ほぼ正答の問題が誤答とされてしまっている、かわいそうな子です。

この時期になると、模試の採点のポリシーも厳しくなるので、この手の生徒は点数が急落します。とにかく地道に助詞の練習問題を作って解かせていますが、解消する子もいれば、結局入試までわからずじまいの子もいます。

ちなみに冒頭の問題の解答は、「特定の遺伝子が細胞のがん化を未然に防ぐから。(22 字)」となります。


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