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値札の真っ白なお店

値札の真っ白なニラ。
値札の真っ白なニラ。

晩ごはんのおかずの材料を買いに、彼女と一緒にヨークベニマル福島泉店に行きました。今晩はキムチ鍋にしようということになったので、さっそくニラを取りに行ったところ、ちょうど店員さんがハンドラベラーでシールを張っている最中でした。店員さんは「カチャン、カチャン」という音をたてながら、黙々とラべリング作業を続けていたため、僕の気配に気付く様子はなく、僕のほうも、店員さんに遠慮して、「どいてください」とお願いする気にもなれず、結局は店員さんがすべてのニラにシールを張り終えてしまうまで、その一部始終を眺めていることにしました。

そうしているうちに、あることに気づきました。店員さんがニラに張っているシールは値段を表示するための白い四角いシールなのですが、そのシールがまったくの白紙になっているではありませんか。設定を間違えたのか、インクが切れてしまったのか、いずれにせよ店員さんはシールが真っ白であることを意に介さずに、さらにシールを貼り続けています。やり直しになるのはかわいそうだと思って、声をかけてみることにしました。

するとどうでしょうか。なんとこのシールは、ニラに巻かれたバーコードを隠すために張っているシールなので、わざと真っ白にしているというではありませんか。なんでも、セルフレジを導入したために、ニラなどに巻かれているヨークベニマルのものではない(おそらく農協などで巻かれた)バーコードをお客さんが機械に読み取らせてしまうことがないようにと張っているのだとか。セルフレジの導入でチェッカーが削減できて(個人的にはあまり削減してほしくないけれども)コストも削減かと思いきや、案外別のコストを生んでいる事もあるようです。

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セルフレジ ― 失業はかくて生まれり

ヨークベニマル伊達店で見かけたセルフレジ
ヨークベニマル伊達店で見かけたセルフレジ

『チャーリーとチョコレート工場』の主人公チャーリーの父で、歯磨き粉工場に勤務するバケット氏が失業したのは、彼が務めていた生産ラインの一工程であるチューブのキャップ締めを、自動的に行うロボットが導入されたためでした。

機械化が社会にもたらしている恩恵ははかりしれませんが、その陰には必ずロボットに職を追われた人々が存在します。今まで積み上げてきたプライドや熟練を一気に奪われる無念さや、不本意な再就職を余儀なくされる苦痛は言語に絶するものだと思います。

家庭教師を終えて、彼女と食べる晩御飯を用意するため、ヨークベニマル伊達店に行ったところ、最新型のレジが置かれていました。これが噂の NEC 製セルフレジでした。2008 年 12 月から納入されている話を聞いていましたが、福島県内の店舗にはこれまでさっぱり導入されていませんでした。

セルフレジは正直言って楽しかったです。どこにバーコードがあるのかさっぱりわからない商品が多くて手間取りましたが、機械の前で商品を適当にぐるぐるまわしていると、そのうちヒットする事が多かったです。会計をしながら袋内のレイアウトもきちんと決められるので、二度手間にならない点も良いと思います。

しかしその陰で、こんな時勢の中、再就職を余儀なくされるチェッカーの方々がいるのかと思うと、胸が苦しくなります。「再就職できないのはスキルが足りないからです。」と言い切る方をテレビでよく見かけますが、人間の職業選択って、そんなに単純なものではないように思います。

冒頭のバケット氏がその後、歯磨き粉工場でキャップ締めロボットの整備士として再就職できたのは、このお話がフィクションだからだ、と思えない人が世の中多くなってきたということでしょうか。逆に、「選ばなければ仕事はある、仕事がないのは選んでいるからだ」なんていう話もよく聞きます。最近の雇用情勢下でそれがどこまで真実か知りませんが、人として生まれてきた以上、仕事は選んで当たり前じゃないですか 😉 !