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大岩オスカール:夢みる世界

「大岩オスカール:夢みる世界」のリーフレット
「大岩オスカール:夢みる世界」のリーフレット

福島県立美術館で開催されている企画展、『大岩オスカール:夢見る世界』に行ってきました。大岩オスカールさんは 1965 年生まれのブラジル移民 2 世で、1991 年からは日本に、2001 年からはニューヨークに暮らしている、現役の美術家です。

展示室に入ると、十数メートルはあろう巨大なクジラの骨と、潜水艦の作品からはじまりました。やっぱり現代の美術家というのは、いい意味で型にはまっていなくて、ドキドキします。タイトルはどちらも『クジラ』。ただものではないな、と思わさせられます。

全体的に小さな作品はほとんどなく、タテ・ヨコ 2 メートルを超えるような大きな作品がほとんど。これを北千住の、ご本人いわく「6 畳ない」部屋でよくぞ描いたものだとまずは感心してしまいます。これだけ大きなキャンバスの中に、携帯電話ぐらいのサイズの遊び心あふれるモノがたくさんちりばめられていたりして、私のような素人には宝探しをするような感覚で絵を楽しむこともできました。

絵の表現方法として、人工の構造物の崩壊という題材が目立ちました。本質的な題材は例えば温暖化だったり、現代社会に対する批判とか揶揄とかいったものなのだと思いますが、そういった人類の築きあげたものを鉄骨などの構造物にたとえて描き、それが派手に破壊されるのではなく、自重に耐えきれなくなって無残に崩壊するとか、ゆがんでゆくとか。そういう表現が目立ちました。

僕にとって何よりも印象的だったのは、ちょっと失礼かもしれないけれども、実は休憩室で上映されていたご本人のインタビュー。現代の美術家を「水をたっぷり入れて薄めたスープ」のような作品を作ってしまいがち、と評価していました。ちょっと辛辣。

「自分の仕事は、地味なことをコツコツやりつづけることだけ」というような事をおっしゃっていたことには感銘を受けました。僕の音楽が今後どうなっていくかわかりませんが、僕も自分にできることを今後もコツコツと積み上げていこう、と決心を新たにしました。

展示は 9 月 28 日(日曜日)まで開催されています。

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