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Finale 2008

Human Playback の部分適用プラグインのバグ

この問題は Finale 2008a.r2 で確認しました。2008/05/20 現在、未解決です。

要約

「Human Playbackの部分適用」プラグインにはバグがあって、「初期設定」の[強弱変化とボリューム]メニューにある「持続音系楽器のボリューム・コントロール」のプルダウンメニューが無効になっています。[モジュレーション・ホイール(01), アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、[MIDI/Audio]→[プレイバックにVSTを使用]を選び、Garritan Instruments for Finale の持続音系の楽器が指定されているチャンネルをそのパートに適用します。[ボリューム(07) + ベロシティ]に設定したい場合は、[SmartMusic SoftSynth]の持続音系の楽器が指定されているチャンネルをそのパートに適用するか、[MIDI/Audio]→[プレイバックにMIDIを使用]を選びます(後者の場合は全パートが[ボリューム(07) + ベロシティ]になります)。[エクスプレッション(11)+ベロシティ]に設定することはできません。

解説

Finale 2004 以降のバージョンに導入されている Human Playback は大変便利な機能です。楽譜を解析して、人間らしい表現を演奏にある程度付けてくれます。私自身も、仕事でシンセサイザーによる演奏を作成する場合に、この機能のお世話になっています。ただ、この解析作業が最新の CPU を搭載したマシンでもそれなりにかかります。私の PC だと 10 分程度のオーケストラ曲で 30 秒~1 分程度です。Finale の再生ボタンが押されるたびに、この作業が繰り返されるので、何度も再生していると苦痛になってきます。おまけに Finale は 2008 になってもマルチコア/プロセッサに対応していないようで、今後も Human Playback にアップデートが無いようなら、CPU が進化しても処理速度は改善しないかもしれません。

そこで、「Human Playbackの部分適用(Apply Human Playback)」プラグインが役に立ちます。楽譜を書き換えた場合に、その都度このプラグインを適用しなければならなくなりますが、事前に Human Playback を適用しておくことで、再生するたびに数十秒待たされる状況を回避することができます。Cubase シリーズのフリーズ機能のようなものです。

ところがこのプラグインにバグがあって、[強弱変化とボリューム]メニューにある「持続音系楽器のボリューム・コントロール」のプルダウン・メニュー(下図)が無効になっています。

強弱変化にどのコントロールを使うかは、シンセサイザーによって異なります。このプルダウンメニューの設定を変えることによって、種々の仕様に対応する予定だったのだろうと思いますし、通常のプレイバックではこのプルダウンメニューはきちんと機能しています(それはそれで問題なのですが…)。「Human Playbackの部分適用」プラグインではこの設定に関係なく、パートによって[ボリューム(07)+ベロシティ]だったり、[モジュレーション・ホイール(01), アタックのみベロシティ]だったりします。どちらの設定が適用されるかは、以下の表のようになっています。

プレイバックにVSTを使用 プレイバックにMIDIを使用
Garritan Instruments for finale や
Garritan Personal Orchestra finale edition の
持続音系の楽器が指定されているチャンネルを使用
モジュレーション・ホイール(01),
アタックのみベロシティ
ボリューム(07)+ベロシティ
SmartMusic SoftSynth の
持続音系の楽器が指定されているチャンネルを使用
ボリューム(07)+ベロシティ ボリューム(07)+ベロシティ

[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]を設定したい場合に、少し条件が厳しくなることがわかります。[プレイバックにVSTを使用][プレイバックにMIDIを使用]というチェックメニューは Finale の[MIDI/Audio]メニュー内にあります(下図)。[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、[プレイバックにVSTを使用]にチェックが入った状態にします。

続いて「VSTのセットアップ」に進みます。[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、[KontaktPlayer2]がプレイバック音源となっていなければなりません。たとえば下図のような場合には、チャンネル 1~16 のいずれかを指定しておかなければなりません。

[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、さらに「編集」ボタンを押して、持続系楽器をチャンネルに選択しなければなりません。下図では、「Midi Ch. [A] 1」にフルートを設定しました。このケースの場合は、楽譜のチャンネルを 1 に設定し、[プレイバックにVSTを使用]にチェックを入れておけば、[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定することができます。

[ボリューム(07) + ベロシティ]に設定したい場合は、[SmartMusic SoftSynth]の持続音系の楽器が指定されているチャンネルをそのパートに適用するか、[MIDI/Audio]→[プレイバックにMIDIを使用]を選びます(後者の場合は全パートが[ボリューム(07) + ベロシティ]になります)。

このプラグインでは、[エクスプレッション(11)+ベロシティ]に設定することはどうやらできないようです。

ところで、これは本当にバグなのでしょうか。上記のルールさえ知っていれば、適用するパートごとにいちいちプラグインのプルダウンメニューで設定を変更するよりもはるかに実用的な仕様であることがわかります。おそらくプログラマーもそのような意図があってこういった仕様にしたのではないでしょうか。Finale のきちんとしたドキュメントの整備が望まれるところです。

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