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Finale 2009

Finale 2009

Finale 2009 で新たに増えたバグ

バージョンアップの度に新たな機能が増え、そしてその機能は大抵バグを持っており、さらにそれにつられてこれまで問題なかった別な機能までもがバグを抱えるようになるという、悪循環に陥ったまま抜け出せない Finale シリーズ。今回のバージョンアップでも、新たなバグの増加が確認できています。

混合拍子を使うと、発想記号の配置設定が反映されなくなる

検証画像。右の混合拍子を使った小節では、発想記号の配置が正しく行われていません。
検証画像。右の混合拍子を使った小節では、発想記号の配置が正しく行われていません。

発想記号の仕様が変わり、これまでのような音符付随・小節付随の別が無くなりました。ところが残念ながらこの新仕様のテストが不十分のようで、混合拍子を使った小節に対して、発想記号の配置設定が反映されなくなるというバグが発生してしまっているようです。

回避策(2009-07-20)

回避画像。
回避画像。

イーフロンティアのユーザーサポートに問い合わせたところ、混合拍子の分母ボックスを 2 つ以上使わないようにすれば、バグが発生しないとのこと。ですので、今回の検証画像のようなケースの場合は、回避画像の 1 小節目ような拍子設定にしてやればなんとかなるようです。

回避画像の 2 小節目の拍子設定は、1 小節目の設定に加えて「表示専用に別の拍子記号を使う」チェックボックスをチェックし、自然な拍子表記に改めたものです。これもユーザーサポートからのアドバイスによるものです。

開発元が既に Finale 2009 の開発を打ち切っているため、このバグの解消は Finale 2010 以降に持ち越されるそうです。

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新たな Finale のバグにうんざり

アンジェロのランチのアイス。この写真を撮って、F200EXR は結構やれるカメラなんだなと、改めて思いました。掲載した写真はリサイズしてありますが、これまで使っていた僕のコンパクトデジタルカメラではきっと撮れなかったであろう写真になっています。
アンジェロのランチのアイス。この写真を撮って、F200EXR は結構やれるカメラなんだなと、改めて思いました。掲載した写真はリサイズしてありますが、これまで使っていた僕のコンパクトデジタルカメラではきっと撮れなかったであろう写真になっています。

またもや Finale の新手のバグを見つけてしまいました。しかも、今回のバグはバージョン 2009 になって新たに追加されたものです。Finale 2009 をお使いでない方にはサッパリな話だと思いますので、詳しい事はこちらのページに書きました。とりあえずバグを回避する方法はわかったのですが、原因を突き止めるためにこの日の作業時間をほぼすべて使い切ってしまいました。

この製品、ここ最近は本当に開発がずさんになってきていると思います。もうちょっと値上げしてもいいから、きちんとバグフィックスぐらいはやってもらいたいと思います。臨時記号のプラグインのバグなんて、Finale 2006 から先ずっとほったらかしになっています。

久々にアンジェロでランチを食べました。安いイタリアンのお店なのですが、接客・味・ボリュームどれをとっても価格帯の水準を大きく上回っています。福島にしか店舗がないのですが、他県から引っ越してくる方のためにぜひ、そのうち紹介記事を書きたいと思います。

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日記

Finale と Finale NotePad

2009-04-16-01ここ数日、Finale を使って納品する仕事が立て込みました。今年の 1 月に Finale 2009 を導入して以来、不思議とそれを使う仕事が来なかったのですが、重なるときには重なるものですね。相変わらず不安定なソフトで、強制終了を喰らったのは一度や二度ではありませんでしたが、それでも Finale 2002 のころと比べれば大分マシになったでしょうか。

さて、それらの仕事の中に、ひとつ気になる仕事がありました。それは「Finale NotePad 2008 で読み込めるように作ること」という仕事。Finale NotePad というのは、Finale の簡易版です。Finale で作った楽譜の簡単な修正と、単純な音符の入力ぐらいしかできませんが、無償で提供されているソフトウェアでした。

なぜ Finale NotePad で読み込めるように作るかというと、クライアント側でパート譜を作成したり、間違いを修正したりできるからです。僕みたいな人間がフルスコアのみならずパート譜まで作成すると、その分費用がかかります。Finale NotePad で読み込めればパート譜を自力で作成できますから、費用を削減できます。また、どんなに気をつけて譜面を作っても、ミスを完全に追放することは、通常ほとんど不可能です。納品後に発覚したミスを、クライアント側である程度修正できるわけです。

Finale NotePad 2008現在、Finale の最新版は 2009 になります。NotePad の最新版も英語版は 2009 ですが、2008 で読み込めるようにと指示がありました。Finale はバージョンが変わるたびにファイル形式が変わります。より新しいバージョンではより古いバージョンのファイルを読み込むことができますが、その逆はできません。Final NotePad 2008 で読み込めるようにするためには、わざわざ旧式の Finale 2008 で楽譜を作成しなければなりません。

早く日本語版の Finale NotePad 2009 をリリースしてもらいたいのですが、ここに一つ厄介な問題が浮上してきました。なんと Finale NotePad はバージョン 2009 以降、有償化されるというのです。今回 2008 で注文が来たのは、2009 の日本語版がなかっただけだと信じたいのですが、もしかするとこの先、有償化された Finale NotePad 2009 を購入することを嫌って、ずっと 2008 での納品をクライアントに要求され続けるかもしれません。

Finale はバージョンアップされるたびに妙なバグが増える困ったソフトウェアなのですが、バグにさえ気をつければ(基本的に、多くの人の目にあまり触れないような機能を「おっ、こんな便利機能があったんだ!」と言って使うと大惨事になる)作業スピード自体はバージョンが進むにつれ少しずつ向上してきていることも確かです。

Finale NotePad 2009 の英語版は 9.95 ドル。代理店のイー・フロンティアによる日本語版の価格は、Finale の英語版が 600 ドルなのに対して 66,150 円。姉妹品 Finale Allegro が英語版 199.95 ドルに対して 31,500 円。当たり前ですが、元が安いソフトウェアほど、ローカライズにかかる費用の上乗せが激しくなります。はたして Finale NotePad は英語版のように安い価格設定にできるのでしょうか。9.95 ドル程度なら、「Finale 2009 で作業させてくれれば、楽譜の値段を 9.95 ドル割引しますよ 😉 」と言えるのですが、うっかり 5,000 円ぐらいになると、そこまでの差を楽譜の価格につけられるかどうか…。

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Finale 2008

装飾音符の発音タイミングを修正したい

譜例

譜例のようにゆったりとしたテンポの曲の場合、Finale の Human Playback による装飾音符の演奏が曲にうまくなじまない場合があります。このまま演奏させると、このようになります。

[audio:http://www.shinsuke.com/wp-content/uploads/2008/10/p1374-01.mp3]

「MIDIツール」を使って発音タイミングを調節してやると、うまく再生できるようになります。

調節のやりかた

Finale の装飾音符は、初期設定では 128 EDUs に設定されています。EDUs というのは ENIGMA Durational Units の略で、1,024 を四分音符とする音の長さの単位ですから、128 EDUs は 32 分音符相当ということになります。この設定自体を変えるのも一つの手です。「書類」メニューの「プレイバックとレコーディングの設定」メニューを選べば、同名のダイアログボックスが表示され、そこに装飾音符の音価を入力する欄があります。

しかし、装飾音符ごとに長さを調節したい場合もあります。Finale は前打音をすべて親音の拍前に出してしまうので、短前打音などを親音の拍内に入れたい場合などがそうです。そういう場合のために、音符ごとに調節する方法を知っておくと便利です。

まずは MIDI ツールでの変更を Human Playback に反映させるために、設定を変更します。「Human Playbackの初期設定」ダイアログボックス(プレイバックコントローラーの 「プレイバック設定」ボタン を押し、「プレイバック設定」ダイアログボックスの「HP初期設定」ボタンを押す)の「MIDIデータ」を選択し、「音の始まり/終わり」のプルダウンメニューで「既存の情報を加味」に設定しておきます。

つづいて「MIDIツール」を選択し、目的の音符のある五線をダブルクリックし、目的の装飾音符のマーカーをダブルクリックします。「MIDI ノート編集」ダイアログボックスが開きますので、「音の始まり」テキストボックスに数値を入力していきます。

ここで入力する数値の単位は EDUs で、前述の「プレイバックとレコーディングの設定」ダイアログボックスで設定されている、装飾音符の初期設定と同じ単位です。たとえば -128 と入力すると、128 EDUs 前に出すという意味になります。この際、初期設定の EDUs に加算されるわけではなく、親音から見て 128 EDUs 前に演奏される形になります。

以上を踏まえれば、ここで装飾音符を本来の親音の発音タイミングで発音させたい場合は 0 を入力すれば理屈にあうのですが、-1、0、1 の 3 つの数値は入力しておいても Human Playback に無視されます。有効な数字は絶対値が 2 以上のものだけですので、-2 か 2 を選ぶしかありません。ただし、2 EDUs という長さは 64 分音符の 32 分の 1 の長さしかありませんから、実際にずれているように感じることはないはずです。

前打音の「音の始まり」に 2 EDUs などを入力すると、前打音と親音が同時に発音することになってしまいます。親音の「音の始まり」にも適当な数値を入力して、後ろにずらします。

完成するとこのようになります。お疲れさまでした。

[audio:http://www.shinsuke.com/wp-content/uploads/2008/10/p1374-02.mp3]
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Finale 2008

Human Playback

Finale の Human Playback に関するページです。

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Finale 2008

右クリックをしてもコンテキストメニューが表示されない

Finale 2008 をマルチ・モニタ環境下におけるプライマリ・ディスプレイ以外のモニタで動作させていると、右クリックで表示されるコンテキストメニューが表示されなくなります。

Finale をプライマリ・ディスプレイで使用すればこの問題は発生しません。

どうしてもプライマリ・ディスプレイ以外のモニタでコンテキスト・メニューを使用したい場合は、アプリケーションキーを押せばメニューが表示されます。ただし事前に左クリックを使用して、コンテキストメニューを表示させたい項目を選択状態にしておかなければならず、不便です。

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Finale 2008

垂直方向の衝突の回避

英語名:Vertical Collision Remover

「垂直方向の衝突の回避」プラグインは、Finale 2007 の発売とともに発表された、MakeMusic 社製のプラグインです。あちこちに不具合を抱えたままリリースされていて、予想外の動作をすることが多く、扱いづらいプラグインです。

いっぽう、不具合を承知して上手に扱うことができれば、Finale 屈指の便利なツールとなります。私の知る限りの不具合情報と、その対策について、少しずつまとめていくつもりですので、困ったときにご覧いただけましたら幸いです。

プラグインのバグ

発想記号の非表示属性を感知しない問題

非表示と設定された発想記号であっても、スペースが確保される
図 1 非表示と設定された発想記号であっても、スペースが確保される

図 1 のように、発想記号が非表示となっている場合でも、非表示となっていない場合と同じように垂直位置を調節してしまいます。この問題のスマートな回避方法はありません。最初からこのようなデータを作らないように気をつけるしかありません。小節発想記号であっても、問題は同様です。

なぜスペースがこんなにあいてしまうのか、わかりにくい例
図 2 なぜスペースがこんなにあいてしまうのか、わかりにくい例

音符発想記号で、さらに元の音符が非表示になっている場合にも、この問題が発生します。例えば図 2 のケース。何が起こっているのか一見わかりませんが、非表示になっている音符に発想記号がついていて、その分のスペースを確保してしまっています。

非表示の音符に付属している発想記号はまったく表示されませんので、注意しないと見逃してしまいます。

繰り返し記号との相性

繰り返し表記のある場合に、そのままこのプラグインを適用すると、うまく垂直位置を調節できなくなる場合があります(図 1 参照)。どうやらこのプラグインは、繰り返し記号によって音符が隠れている場合でも、そこにト音記号で表記された楽譜があるものと仮定して、位置調整を行ってしまうようです(図 2 参照)。

そこで、パーカッション・マップと楽譜スタイルの設定を使用して、常に符頭が五線の中央に配置されるようにし、さらに符尾を表示しないようにして、この問題を回避します。以下に手順を示します。

  1. 「五線ツール」を選択します
  2. 「五線」メニューから「楽譜スタイルの定義」を選択し、「楽譜スタイル」ダイアログボックスを表示します
  3. 「使用可能なスタイル」から「08. 2小節の繰り返し表記」を選択します
  4. 「記譜スタイル」プルダウンメニューから「パーカッション」を選択します
  5. 「記譜スタイル」プルダウンメニューのすぐ右側にある「選択」ボタンを押し、「パーカッション・マップの選択」ダイアログボックスを表示します
  6. 「作成」ボタンを押し、「パーカッション・マップ作成」ダイアログボックスを開きます