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Finale 2008

Human Playback で KS(キースイッチ)が使えない

Finale 2008a で確認。


図 1修正前の Human Playback の初期設定
修正後の「Human Playback の初期設定」ウィンドウ
図 2修正後の Human Playback の初期設定

Finale でキースイッチが動作しなかったのですが、今日(2008-07-03)イーフロンティアのユーザーサポートに電話をかけたところいくつかヒントがわかりました。その後、僕自身が経験的に得た知識も含めて、対処法をまとめておきたいと思います。

対策 1:アップデート

まったく動作しなかった原因は、Human Playback の初期設定セットが更新されていなかったためでした。2008 年 5 月のアップデータが適用されている状態で、図 1 のウィンドウの左下にある「現在のセット:」プルダウンメニューをクリックし、「デフォルト設定」を選択します。すると、図 2 のように設定が書き変わり、アップデータの内容が反映されるようになります。

これで、動作する場合もあるのですが、ファイルによって、日によって、時間によって(笑)、ふたたび効かなくなります。

対策 2:小節発想記号

Finale のマニュアルを見てみると、「できるだけ(小節付随の発想記号でなく)音符付随の発想記号を使用すること。音符に割り付けた発想記号の方が効果的です。」と書いてあるのですが、曲頭がピチカートで始まる場合、音符発想記号の「pizz.」をつけても動作しません。

そこでユーザーサポートの方が提案してきたのは、「小節発想記号にしてみていただけませんか」とのこと。なるほど、僕の場合、これでチェロだけは冒頭からピチカートになりました。謎すぎます(笑)。

対策 3:いったん他の拍に動かす

小節発想記号でも、音符発想記号でも、認識しない場合はいったん他の拍に移してみることも大切です。何度か移動と再生を繰り返して、いったん Human Playback が記号を認識すればしめたもの。あとは、元通りの場所に移してもきちんと反応します。

ただし、曲頭に音符発想記号を配置しても反応しない(曲頭はかならず小節発想記号で)のは相変わらずですので注意が必要です。

開発元が違う

イーフロンティアのユーザーサポートの方によると、Human Playback は Finale の開発側も仕様を把握していないのだそうです。というわけでユーザーサポートでもこれに関しては完璧なサポートは難しいとのことでした。確かに楽譜を作る分には問題はないのですが。

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Human Playback の出力する強弱

(2008-06-18、Finale 2008a.r2 で確認)

検証用の楽譜
図 1 検証用の楽譜

Finale の Human Playback が出力している強弱が、実際どうなっているのか検証してみました。図 1 のような検証用の楽譜をスタンダード MIDI ファイルに出力して、データを確認しました。

結果は以下のようになりました。

表 1 – 出力結果
pppp ppp pp p mp mf f ff fff ffff
Oboe 1 3 14 31 52 74 95 112 123 127
Trumpet 1 3 14 31 52 74 95 112 123 127
Violin 1 3 14 31 52 74 95 112 123 127
Timpani 24 29 40 50 67 76 91 102 119 127
強弱記号 10 23 36 49 62 75 88 101 114 127

Oboe、Trumpet、Violin の値は CC#1: モジュレーション。Timpani の値は Velocity。強弱記号の値は、Finale の「発想記号の設計」ダイアログボックスで設定されているベロシティの値。

Human Playback の出力する強弱のグラフ
図 2 Human Playback の出力する強弱のグラフ

持続系楽器であれば、楽器ごとに出力される CC#1 の数値に変化はないことがわかりました。また、値のグラフがサイン波を描くように調整されています(図 2 参照)。Timpani のような打楽器系楽器は、強弱記号の値に 4 拍子の強拍・弱拍のニュアンスが加わったベロシティが出力されていることがわかります。

この仕様を把握していないと困る場合があるかと思います。例えば、しきい値が設定されている外部音源を使用するような場合や、Finale 内部で CC#1 を直接操作するような場合に注意が必要でしょう。

対照表

実際の出力 指定した音量
120 110
119 109
112 101
104 95
102 93
100 92
99 91
96 88
93 87
90 85
89 84
88 ×
87 83
82 80
81 79
80 ×
79 78
76 76
75 ×
74 75
73 ×
72 74
71 73
70 ×
69 72
66 70
65 ×
64 69
63 ×
62 68
61 ×
60 67
57 65
56 ×
55 64
52 62
51 ×
50 61
49 60
47 59
39 54
37 53
33 50
32 ×
31 49
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Finale 2008

フォント変更プラグイン

プルダウンメニュー内のフォント変更プラグインの位置対象バージョン:Finale 2008a

Windows 版の Finale の初期設定では、楽譜のパート名は MS ゴシックで表記されるようになっています。しかし、たいていの出版譜はセリフ体を採用していますし、サンセリフ体を使用するにしても、MS ゴシックではあんまりです。ぜひともパート名のフォントを変更したいわけですが、一パートずつ変更していたのでは骨が折れます。そこでこのプラグインが便利なわけです。

あえて使い方を説明するまでもないとは思いますが、念のため。下図のようなプラグインの画面が表示されますので、「変更」ボタンを押してフォントを変更していきます。本当に、ただそれだけです。

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Human Playback の部分適用プラグインのバグ

この問題は Finale 2008a.r2 で確認しました。2008/05/20 現在、未解決です。

要約

「Human Playbackの部分適用」プラグインにはバグがあって、「初期設定」の[強弱変化とボリューム]メニューにある「持続音系楽器のボリューム・コントロール」のプルダウンメニューが無効になっています。[モジュレーション・ホイール(01), アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、[MIDI/Audio]→[プレイバックにVSTを使用]を選び、Garritan Instruments for Finale の持続音系の楽器が指定されているチャンネルをそのパートに適用します。[ボリューム(07) + ベロシティ]に設定したい場合は、[SmartMusic SoftSynth]の持続音系の楽器が指定されているチャンネルをそのパートに適用するか、[MIDI/Audio]→[プレイバックにMIDIを使用]を選びます(後者の場合は全パートが[ボリューム(07) + ベロシティ]になります)。[エクスプレッション(11)+ベロシティ]に設定することはできません。

解説

Finale 2004 以降のバージョンに導入されている Human Playback は大変便利な機能です。楽譜を解析して、人間らしい表現を演奏にある程度付けてくれます。私自身も、仕事でシンセサイザーによる演奏を作成する場合に、この機能のお世話になっています。ただ、この解析作業が最新の CPU を搭載したマシンでもそれなりにかかります。私の PC だと 10 分程度のオーケストラ曲で 30 秒~1 分程度です。Finale の再生ボタンが押されるたびに、この作業が繰り返されるので、何度も再生していると苦痛になってきます。おまけに Finale は 2008 になってもマルチコア/プロセッサに対応していないようで、今後も Human Playback にアップデートが無いようなら、CPU が進化しても処理速度は改善しないかもしれません。

そこで、「Human Playbackの部分適用(Apply Human Playback)」プラグインが役に立ちます。楽譜を書き換えた場合に、その都度このプラグインを適用しなければならなくなりますが、事前に Human Playback を適用しておくことで、再生するたびに数十秒待たされる状況を回避することができます。Cubase シリーズのフリーズ機能のようなものです。

ところがこのプラグインにバグがあって、[強弱変化とボリューム]メニューにある「持続音系楽器のボリューム・コントロール」のプルダウン・メニュー(下図)が無効になっています。

強弱変化にどのコントロールを使うかは、シンセサイザーによって異なります。このプルダウンメニューの設定を変えることによって、種々の仕様に対応する予定だったのだろうと思いますし、通常のプレイバックではこのプルダウンメニューはきちんと機能しています(それはそれで問題なのですが…)。「Human Playbackの部分適用」プラグインではこの設定に関係なく、パートによって[ボリューム(07)+ベロシティ]だったり、[モジュレーション・ホイール(01), アタックのみベロシティ]だったりします。どちらの設定が適用されるかは、以下の表のようになっています。

プレイバックにVSTを使用 プレイバックにMIDIを使用
Garritan Instruments for finale や
Garritan Personal Orchestra finale edition の
持続音系の楽器が指定されているチャンネルを使用
モジュレーション・ホイール(01),
アタックのみベロシティ
ボリューム(07)+ベロシティ
SmartMusic SoftSynth の
持続音系の楽器が指定されているチャンネルを使用
ボリューム(07)+ベロシティ ボリューム(07)+ベロシティ

[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]を設定したい場合に、少し条件が厳しくなることがわかります。[プレイバックにVSTを使用][プレイバックにMIDIを使用]というチェックメニューは Finale の[MIDI/Audio]メニュー内にあります(下図)。[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、[プレイバックにVSTを使用]にチェックが入った状態にします。

続いて「VSTのセットアップ」に進みます。[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、[KontaktPlayer2]がプレイバック音源となっていなければなりません。たとえば下図のような場合には、チャンネル 1~16 のいずれかを指定しておかなければなりません。

[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定したい場合は、さらに「編集」ボタンを押して、持続系楽器をチャンネルに選択しなければなりません。下図では、「Midi Ch. [A] 1」にフルートを設定しました。このケースの場合は、楽譜のチャンネルを 1 に設定し、[プレイバックにVSTを使用]にチェックを入れておけば、[モジュレーション・ホイール(01),アタックのみベロシティ]に設定することができます。

[ボリューム(07) + ベロシティ]に設定したい場合は、[SmartMusic SoftSynth]の持続音系の楽器が指定されているチャンネルをそのパートに適用するか、[MIDI/Audio]→[プレイバックにMIDIを使用]を選びます(後者の場合は全パートが[ボリューム(07) + ベロシティ]になります)。

このプラグインでは、[エクスプレッション(11)+ベロシティ]に設定することはどうやらできないようです。

ところで、これは本当にバグなのでしょうか。上記のルールさえ知っていれば、適用するパートごとにいちいちプラグインのプルダウンメニューで設定を変更するよりもはるかに実用的な仕様であることがわかります。おそらくプログラマーもそのような意図があってこういった仕様にしたのではないでしょうか。Finale のきちんとしたドキュメントの整備が望まれるところです。

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長休符の不備

Finale 2008a で確認

概要

Finale の長休符には不備(おそらくバグですが…)があって、長休符の長さを調整しても、印刷する度に編集前の状態に戻されてしまうことがあります。これは「ファイル別オプション」ウィンドウの「長休符」メニューにある「オプション」項目内の「長休符の自動更新」チェックボックスのチェックを外すと回避できます。

解説

長休符が音部記号にぶつかってしまっている例

12 小節分の長休符の右端と、オクターブ記号の付いたト音記号が、図の中央でぶつかってしまっています。このケースでは、Finale のスペーシング機能が働きません。解消するためには、「小節ツール」を選択後、問題の長休符を右クリックし、[長休符]→[編集…]を選び、「長休符の設定」ウィンドウを開きます。

コンテキストメニューから[編集]を選択中

「長休符の設定」ウィンドウで「終点の調整」をマイナスの数値に設定します。通常、-48 程度でうまくいくようです。に設定します。

「長休符の設定」ダイアログボックス

これで長休符と音部記号の衝突は解消されましたが、このままだと印刷するたびに Finale が先ほどの「終点の調整」を 0 に戻してしまいます。この動作を止めるために、[書類]メニューから[ファイル別オプション]を選んで、「ファイル別オプション」ウィンドウを表示させます。

[書類]メニューから[ファイル別オプション]を選択中

ウィンドウが開いたら、左のメニューから[長休符]を選びます。「オプション」項目に「長休符の自動更新」チェックボックスがありますので、これを解除します。

「ファイル別オプション」ダイアログボックス

以上で問題を回避できます。
この設定を行うと、いったん長休符にした小節に音符を書き込んでも、長休符が解除されなくなり、印刷されなくなります。そのような場合はいったん「長休符の自動更新」チェックボックスにチェックを入れて音符を書き込み、終了後に再びはずせばよいでしょう。